議題別スロットのテンプレート化(設計キット・拡張版)
良い会議の条件は「目的が明確」「判断が下る」「行動に繋がる」。そのための骨格をテンプレートとして持つことで、準備と進行の負担を劇的に軽減できます。本稿は、議題別に使えるスロット設計と配分テンプレ、運用のコツをまとめた実務ガイドです。
推奨スロット
- 30分 / 45分 / 60分(集中が切れにくい長さ)
- 90分以上は分割し、合間に小休憩か個別検討を挟む
- 1on1=45分、設計レビュー=60分、戦略レビュー=60〜90分
テンプレに含める項目
- 目的(1文)と判断項目(箇条書き)
- 参加対象(必須/任意)と役割(決裁/説明/観察)
- ログ保存場所(ドキュメント/チケット/録画)
- フォローアップ期限と担当
- リスク/代替案の提示フォーマット(事前提出)
サンプル配分(設計レビュー60分)
- 目的と判断項目(5分)
- 変更点の共有(15分)
- リスク/代替案(20分)
- 判断と宿題(10分)
- 次アクション/担当/期限(10分)
1on1(45分)
- 近況/心理的安全の確認(10分)
- 成果/課題の振り返り(15分)
- 成長課題/支援の合意(15分)
- 次回までのアクション(5分)
戦略レビュー(90分)
- 目的と前提の共有(10分)
- 外部/内部データの要点(15分)
- 選択肢と仮説(25分)
- 意思決定(20分)
- 実行計画とリスク(20分)
運用のコツ
- 会議招待の本文にテンプレの要旨を埋め込み、開始前に認知合わせ
- 議事録テンプレと連動し、決定とアクションを自動紐付け
- 指標(決定率/宿題残/満足度)でテンプレを継続改善
失敗パターンと対策
- 目的が曖昧→テンプレ冒頭の1文に強制記入
- 参加者が多すぎる→役割ベースで再定義、任意枠は記録配布
- 宿題が残る→判断項目を事前提出、欠員時は代理決裁を設計
EEATの観点
- 専門性:判断に必要な要素を配分に落とし込む
- 権威性:責任者と承認プロセスをテンプレに組み込む
- 信頼性:ログの所在とアクセス権を明示し、透明性を担保
よく使うテンプレ断片
- 目的の1文: 「本会議の目的はXの可否判断。判断基準はA/B/C。」
- 判断項目: 「コスト/リスク/スケジュール/代替案/影響範囲」
- 宿題の定義: 「担当/期限/成果物/依存関係」
ケースと導入ステップ
ステップ1:現行会議から「判断に至らなかった理由」を3つ抽出 ステップ2:それをテンプレの設問・配分に反映 ステップ3:4週間A/B(配分や順序)で効果測定 ステップ4:勝ち筋を標準テンプレに昇格し、教育コンテンツ化
ケース:戦略レビューの決定率が50%→82%に改善。要因は「判断項目の事前提出」「代替案の比較表」「時間配分の固定化」。
--- テンプレは「思考の枠」。揺らがない骨格が、意思決定の質と速度を底上げします。